社労士試験合格者が受験勉強開始前に調べた、たった4つのこと

社労士試験合格者が受験勉強開始前に調べた、たった4つのこと

【この記事を読むと分かること】

・社労士試験の全体像が理解できます。
・選択式試験と択一式試験の違いすぐに分かります。
・社労士試験での足切り制度が理解できます。
・社労士試験の合格率と合格者数が分かります。

社労士試験の日程は?願書は?申し込み方法は?このコラムでは社労士試験の受験スケジュールを効率的に進めるために、合格者たちが調べた4つの項目について詳しく解説する。ここで記載することは、正確に記憶し常に念頭に置いて試験対策に励んでほしい。

【目次】
・社労士試験の日程/スケジュール
・社労士試験科目と合格ライン、足切り点
・出題科目を4グループに分けてみる
・社労士試験の出題方式と問題例 択一式・選択式
・社労士試験の合格率、合格者数
・受験勉強開始前に調べることのまとめ

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社労士試験の日程/スケジュール

【3月上旬】 社労士受験案内の請求方法の公開
【4月中旬】 社労士試験詳細スケジュールの公示発表
【5月31日】 願書提出申し込み期限
【8月最終日曜日】 社労士本試験
【11月上旬】 合格発表

最初に確認したい点は、社労士本試験は毎年8月の最終日曜日にあるということだ。正式に日程が発表される前であっても、この点は原則として変わることがないため、今からスケジュールに記載しておこう。その他の年間スケジュールは上記の通りである。

試験時間は10:30から90分の昼休憩挟んで16:50まで。合計約5時間の長丁場だ。ちなみに平成30年度本試験合格発表は11月9日(金)だった。

社労士試験科目と合格ライン、足切り点

社労士試験は8科目。(一部科目は管轄の行政庁で公務員としての勤務歴に基づき免除されるものもある)社労士会試験センターの説明は下記の通りだが、これをそのまま読むだけでは十分な試験科目対策ができない。

労働基準法及び労働安全衛生法

択一式(10点) 選択式(5点)

労働者災害補償保険法(労働保険料徴収法を含む)

択一式(10点) 選択式(5点)

雇用保険法(労働保険料徴収法を含む)

択一式(10点) 選択式(5点)

労務管理その他の労働に関する一般常識

択一式(5点)  選択式(5点)

社会保険に関する一般常識

択一式(5点) 選択式(5点)

健康保険法

択一式(10点) 選択式(5点)

厚生年金保険法

択一式(10点) 選択式(5点)

国民年金法

択一式(10点) 選択式(5点)

【合格基準(次の二つの条件を同時に満たす必要がある)】
①択一式42~48点以上かつ各科目4点以上(一部科目3点とする救済措置も)
②選択式21~26点以上かつ各科目3点以上(一部科目2点とする救済措置も)

ここでいう「かつ」という部分が一般的に言われる、社労士試験の足切りだ。

出題科目を4グループに分けてみる

ここで社労士会の出題科目表を、関連する法律ごとでカテゴリー分けをする。すると以下のとおり4つのグループに分類できることが分かる。合格者たちはただ闇雲に試験対策を行うのではなく、効率的な分類分けをしているのだ。

①労基法グループ

労働基準法 択一式(7点) 選択式(3点)
労働安全衛生法 択一式(3点) 選択式(2点)
労務管理その他の労働に関する一般常識 択一式(5点) 選択式(5点)

②労働保険グループ

労働者災害補償保険法 択一式(7点) 選択式(5点)
雇用保険法 択一式(7点) 選択式(5点)
労働保険料徴収法 択一式(6点) 選択式(なし)

③年金グループ

厚生年金保険法 択一式(10点) 選択式(5点)
国民年金法 択一式(10点) 選択式(5点)

④健保福祉グループ

健康保険法  択一式(10点) 選択式(5点)
社会保険に関する一般常識 択一式(5点) 選択式(5点)

このように見ると、厚生年金保険法、国民年金法、健康保険法が科目単独で択一式・選択式共に配点比率が高く、労働安全衛生法、労働保険料徴収法の配点比率が低いことが分かる。

配点比率の高い科目をしっかり学習しつつ、配点比率の低い科目は足切りにかからない程度の調整が必要なのである。

社労士試験の出題方式と問題例 択一式・選択式

これまで何度か登場する、社労士試験の択一式、選択式について詳しく見ていこう。

まず択一式とは下の出題例のように「5つの中から1つを回答する」問いだ。

択一式試験

一方の選択式とは下の出題例のように「空白に当てはまる語句を下から選ぶ」問いだ。

選択式

具体的な対策はこちらのコラムで詳しく解説する。

社労士試験の合格率、合格者数

最後に社労士試験の合格率、合格者数を確認しよう。まずは過去10年社労士試験の合格率、合格者数の推移を見て欲しい。

2009年 受験(52,983人) 合格(4,019人) 7.6%
2010年 受験(55,445人) 合格(4,790人) 8.6%
2011年 受験(53,392人) 合格(3,855人) 7.2%
2012年 受験(51,960人) 合格(3,650人) 7.0%
2013年 受験(49,292人) 合格(2,666人) 5.4%
2014年 受験(44,546人) 合格(4,156人) 9.3%
2015年 受験(40,712人) 合格(1,051人) 2.6%
2016年 受験(39,972人) 合格(1,770人) 4.4%
2017年 受験(38,685人) 合格(2,613人) 6.8%
2018年 受験(38,427人) 合格(2,413人) 6.3%

合格率は概ね6~8%平均となっているが、中には2014年(平成26年)のように合格率が9.3%の年もあれば、その翌年2015年(平成27年)のように2.6%となり、一気に合格者数が4分の1に減るという極端な年もある。上位5%に入っても合格確実とは言えない点が、社労士が難関試験であると言われる所以だ。

受験勉強開始前に調べることのまとめ

大海原への航海に旅立つとき、どのような名船長でも地図と羅針盤を準備する。それと同じように社労士試験においても次の4点を頭の中に叩き込もう。

①社労士試験の願書締め切りは5月31日、試験日は8月最終日曜日
②択一45点、選択23点が合格ゾーン。ただし足切り点に注意
③合計8科目を4グループに分けよう
④合格率は5%と理解しよう

このコラムを最後まで読んでくれたあなたの健闘を祈る!