社労士とは

社労士事務所の採用担当者が公開!社労士の就職事情

社労士事務所の採用担当者が明かす社労士事務所の就職事情の画像

【この記事を読むと分かること】

・社労士事務所の平均職員数が理解できます。
・社労士事務所募集職種の傾向が掴めます。
・求人広告による社労士事務所の人事施策が理解できます。
・社労士事務所就職に必要なスキルが理解できます。

あなたは社労士試験の受験中に社労士事務所への就職を希望されているのだろうか。それとも受験後の9月?または合格発表後の11月?このコラムでは社労士事務所の採用担当者が、最新の社労士就職事情について採用活動の舞台裏を公開する。これから社労士試験にチャレンジする方は是非ご一読を。

【目次】
・まずは社労士事務所の規模感を知ろう
・社労士事務所選びのポイント
・募集記事から分析する社労士事務所の人事施策
・社労士事務所の選考基準
・社労士就職事情のまとめ

まずは社労士事務所の規模感を知ろう

あなたが就職しようとしている社労士事務所の全体像を見ていこう。2015年中小企業白書によると、社労士事務所の平均従事者数は2.4人

この数字はあくまでも平均値であるため、現実的には圧倒的多数の社労士1人事務所と、一部の中規模・大規模事務所が混ざり合った結果の2.4人であると予測。

職員10名以上の事務所であれば、社労士業界では上位5%に入っているものと考えてよい。

社労士事務所選びのポイント

ここでは逆にあなたの就職先である社労士事務所選びのポイントについて考える。社労士を目指すあなたが募集広告を目にする際、勤務地、給与、仕事内容など様々な項目を確認するはずだ。

広告主である社労士事務所側には、一人でも多くの人に応募してもらいたい思惑があるため、広告文はきらびやかに飾られている。そこで採用活動に携わる者として強くお伝えしておきたい点は、

募集広告の仕事内容(職種)を見ればその社労士事務所の人事施策が良く分かるという点だ。

募集記事から分析する社労士事務所の人事施策

それでは代表的な3つの募集職種について、その社労士事務所がどのような人事施策を採っているか、一緒に検証しよう。

(ア)社労士1号業務アシスタント

労働・社会保険業務手続き、給与計算事務を担う業務の募集である。直接顧客担当を持つことは稀であり、多くはアシスタント的立場となる。未経験者はこの1号業務アシスタントの経験を1~2年積む必要がある。健全な人員補充であるため、事務所規模が適切に拡大していると予測できる。

(イ)社労士2号業務担当者

担当顧客を持ち、就業規則や賃金規程、労使協定などを担当する労務顧問的な職種。ある程度の実務経験者の応募を期待していることが分かる。多くは前任者の突然の退職による即戦力の補充だろう。

募集記事内に「受験生可」や「未経験者可」など、応募基準を低く設定している場合、この事務所は相当焦っていることが分かる。何らかの人事施策上の問題点を抱えている可能性がある。

(ウ)助成金申請特化型

社労士の法的独占業務の一つ、雇用関連の助成金申請業務の募集である。助成金業務に特化した募集職種では、入社後は助成金申請だけに従事する事になり、仕事の幅が広がらない。専門性は高まるかもしれないが、分業体制の一つの駒にしかならないため、能力向上が見込めない点に注意が必要だ。

社労士事務所の選考基準

社労士事務所も近年サービス内容が高度化しており、単に「労務知識のプロ」であるだけでなく、「接客のプロ」であることが求められる時代となった。さらにIT技術の進歩に伴い、業務のIT化も急速に進んでいる。そこでこれらの視点から社労士事務所が求める能力基準についての裏事情をお話ししよう。

(ア)労務知識

社労士1号業務(労働社会保険業務)を行うために、一定の社労士試験知識が必要だ。少なくとも、雇用保険、社会保険の被保険者要件を知らなくては、申請業務を正確に行うことができない。入社前には次の点を中心に試験勉強を先行させよう。

・労働保険の成立、概算確定納付の仕組み
・雇用保険の適用事業所
・雇用保険の被保険者要件、資格取得と喪失
・社会保険の適用事業所
・社会保険の被保険者要件、資格取得と喪失
・扶養者要件

(イ)給与計算実務

「給与計算実務能力検定」という社労士事務所就職に最適な検定試験があるため、必ず受験しよう。3カ月程度の学習期間があれば、合格レベルに到達できる。ちなみに2級は一般的な給与計算、1級は年末調整知識を習得できる。

(ウ)接客能力

社労士は「人」を仕事の対象にする仕事であるため、よりきめ細やかな配慮が求められる。実務においても給与明細や雇用契約、人事規程などのデリケートな書類を扱うため、鷹揚な性格の人は敬遠される。接客や販売現場で、直接顧客と対応した経歴は優遇されるだろう。

(エ)IT能力

社労士の仕事も相当にIT化が進んでいる。1号業務(労働社会保険業務)は全て電子申請で行うし、給与計算も専用ソフトで行う。顧客とのやり取りも、メールやチャットを駆使する。これらITツールを場面ごとで適切に使いこなすために、基本的なITスキルが必要である。「右クリック」、「フォルダ」、「コピペ」が分からない方は、先ずは基本スキルの習得をお勧めする。

社労士就職事情のまとめ

社労士事務所への就職活動がイメージできただろうか。もしあなたが全くの未経験者であり、今すぐにでも社労士事務所への就職を望むのであれば、まずは雇用保険、社会保険の入退社時の手続きについて試験勉強を先行させるとともに、給与計算実務能力検定2級の学習を始めよう。これらの準備を3カ月程度行うだけでも、社労士事務所への就職は相当有利に働く。あなたの就職活動が成功裏に進むことを祈念している。

【この記事の執筆者】

井ノ上剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)

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