社労士とは

「働き方改革」に見る社労士の将来性とメリットを示す3つのポイント

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【この記事を読むと分かること】

・社労士資格がいかに社会に必要とされているかが理解できます。
・社労士しか行えない助成金業務のことが理解できます。
・介護保育業界の処遇改善加算と社労士業務の連携が理解できます。

「働き方改革」というキーワードが浸透しつつある。まさに社労士の専門分野である。このコラムでは社労士がいかに将来性のある国家資格であるかについて、「働き方改革」を考察しつつ3つの視点から整理してみた。

【目次】
・将来性1.経営者の労務コンプライアンス意識が格段に上昇
・将来性2.雇用関係の助成金申請は社労士の独壇場
・将来性3.介護・保育業界では社労士が欠かせない存在に
・社労士の将来性まとめ

将来性1.経営者の労務コンプライアンス意識が格段に上昇

私が社会に出た1999年にはまだ「ブラック企業」、「過労死」、「パワハラ」等という言葉は世の中になかった。もしかすると、セクハラという概念も広がっていなかったかもしれない。20世紀はそんな時代だった。

私は大学を出てすぐに士業界に入ったのだが、その頃書店には「いかにして、社員を合法的にクビにするか」、「社長が得する就業規則の作り方」等という、今思い返せば倫理観を疑うようなタイトルの書籍が流行していた。著者の多くは社労士や弁護士だ。

当時流行の人事施策は会社組織を「使う側(経営者)」と「使われる側(従業員)」に分け、社労士は経営者に取り入るため、常に「私は社長の味方」感を打ち出していた。

不景気のドン底だったこともあり、巷にはリストラにあった失業者があふれていた。急増した派遣労働者は住む家を失い、年末には「派遣村」という救済活動も行われる時代だった。

それから20年の時が流れ時代は一変した。20世紀には教科書の中だけの問題だった少子高齢化は現実のものとなった。団塊世代が大量に定年退職を迎えるにもかかわらず、新卒社員は往時の半分近くにまで激減した。

政府の経済政策の恩恵を受けた大企業は新卒社員を大量に採用するが、中小企業には人が来ない。さらにパワハラ、長時間労働、低賃金の会社には人が寄り付かないだけでなく、急激な勢いで人が去り始める。

万一労働トラブルが発生すれば、会社の存続が危うくなる時代なのである。ここでようやく中小企業経営者の労務コンプライアンス意識が転換した。以前は社労士という国家資格の存在すら知らなかった経営者達がこぞって、「当社の人事制度の改善に力を貸して欲しい」と社労士事務所の門を叩く時代となったのだ。

将来性2.雇用関係の助成金申請は社労士の独壇場

「働き方改革」のキーワードに代表される通り、日本政府の雇用政策は当面「老若男女を問わず全世代の労働者が、いきいきと働ける社会を作ること」である点は変わることがない。

労働人口減少を補うために、政府は様々な施策を打ち出している。特に高齢労働者の雇用継続、家庭に埋もれた主婦層の社会復帰、さらには外国人労働者の受け入れなど、雇用分野は経済政策のオンパレードである。

そしてこの分野に社労士が必要不可欠とされているのである。例えば雇用保険を財源とした企業向けの助成金がある。非正規労働者を正規社員に登用する、あるいは社内の人事評価制度を充実させるなど、社内の就業環境を改善した場合に受給できる助成金が数十種類ある。

これら雇用保険(厚労省所管)を財源とした助成金申請業務は全て法律により、社労士の独占業務とされている。つまり社労士以外が行うことは出来ない。労働法の専門家である社労士のサポートにより中小企業の環境を改善し、そこに助成金を投入するというのが厚労省の狙いなのだ。

将来性3.介護・保育業界では社労士が欠かせない存在に

少子高齢社会で国を挙げて支援が必要となる業界が、介護事業と保育事業だ。両事業では職員の新規採用、雇用の定着を促進するために、国費によって職員の給与に上乗せ支給を行っている。それが「処遇改善加算」と呼ばれる制度だ。

会社は国庫の補助により従業員の昇給を行うことが出来る。ただし、この処遇改善加算を得るためには、賃金昇給制度づくり、就業規則の整備が必要となる。

ここで労働法の専門家である社労士が真価を発揮する。特に介護事業所、保育事業所を多く顧問先に抱えている社労士事務所では、顧客から「社労士の先生なしでは事業が立ち行かない」という声が出るほどだ。

この「処遇改善加算」制度の運用においては、政府からも「社会保険労務士を各事業所に派遣して制度の整備を図る」などの方針が打ち出されている。この点からも分かる通り現在、社労士資格は時代の脚光を浴びているのである。

社労士の将来性まとめ

以上の通り、労務コンプライスアンス、雇用助成金、処遇改善加算など、まさに時代は社労士資格に急激な追い風状態であることが分かって頂けただろう。キーワードはまさに「働き方改革」だ。

また受験に目を向けると社労士資格は、弁護士・税理士・司法書士と異なり、最短1年で合格ラインに到達するという適度な難易度でもあるのも利点だ。

試験科目も労働問題、健康保険、年金など誰もが身近に感じる分野であるため、入り易い国家資格であるとも言える。将来性抜群の社労士資格。あなたも是非将来の労働法専門家を夢見て、試験勉強を開始してはどうだろうか。

【この記事の執筆者】

井ノ上剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)

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