社労士試験に挑戦する前に知っておきたい社労士3年目の仕事と年収

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【この記事を読むと分かること】

・社労士2号業務の内容が理解できます。
・社労士転職3年目の仕事内容と年収がイメージできます

社労士試験にチャレンジする前に知っておきたい社労士の仕事と年収、解説コラム3部作の第2弾。このコラムでは社労士事務所就職3年程度で任される仕事内容と年収について説明する。第1弾(1年目編)第3弾(5年目編)も併せてご通読を。

【目次】
・顧客対応力が求められる社労士2号業務
・社労士事務所就職3年目の仕事内容
・社労士事務所就職3年目の年収
・社労士3年目の仕事と年収まとめ

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顧客対応力が求められる社労士2号業務

連載コラム第1弾の復習だが社労士法には3つの社労士業務が定められている。

(1号業務)労働社会保険に関する申請書を作成すること
(2号業務)労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類を作成すること
(3号業務)事業における労務管理について相談に応じ、又は指導すること

今回のコラムで解説する2号業務は就業規則、賃金規程、労使協定など重要な社内ルールの作成である。

専門知識を使って事務作業を正確かつ迅速にこなす1号業務とは異なり、2号業務における就業規則、賃金規程、労使協定の作成には、よりハイレベルな顧客対応能力が求められる。主な対応相手は経営者または人事の責任者だ。あなたには社労士試験で身に着けた労働社会保険法令の専門知識だけでなく、顧客目線での顧客対応能力が求められる。

社労士事務所就職3年目の仕事内容

社労士事務所で従業員(補助者)として勤務するには社労士資格の有無は関係ない。しかし2号業務を任される概ね入社3年目には、出来れば社労士試験の合格は果たしたいところだ。

顧客側の立場に立つと、自社の就業規則や賃金規程等、組織運営の根幹をなすルールの作成を任せるためには、社労士試験の合格者でないと安心できないという側面もある。

社労士事務所側においても、2号業務の遂行には少なくとも社労士試験の合格者を充てるのが一般的だ。では、具体的に2号業務担当者の仕事内容はどのようなものか、見ていくことにしよう。

2号業務の担当者は、1号業務を支えるアシスタントの補助を得つつ、1人で20~30社の顧客を担当しているケースが多いだろう。具体的な業務は就業規則、賃金規程の作成、労使協定の締結などである。

就業規則とは従業員の労働条件を定めるルールブックのようなものだ。仕事が何時に始まり何時に終わるか、年間の休みはいつか、どのように賃金が計算されるのか、等の組織運営上の重要な項目を明文化する。我々社労士は、労働社会保険法令の知識を総動員して、経営者の目指す組織像を一緒にデザインしていく。

一方、賃金規程においては残業代の計算ルール、営業手当や資格手当などの金額の検討に始まり、賞与や退職金についても経営者と一緒に考えていく。

就業規則や賃金規程を考える際に重要となるのは、経営者にとってのメリット・デメリットが従業員にとっては逆に働く場合があるという点である。我々社労士のスタンスはどちらかに極端に寄りすぎてはいけない。

社労士にはそのバランスを調整するという重要な役割も求められている。社労士2号業務とは、このようにより幅広い専門知識が求められる、重要な業務なのである。

社労士事務所就職3年目の年収

社労士事務所就職3年目程度で20~30社の担当顧客を受け持ちつつ、就業規則、賃金規程作成などの2号業務を適切に提供する。このレベルの社労士の年収例を示すと、概ね次の通りになるだろう

月収 30万円~
年収 450万円~
(ただし、社労士合格者の場合)

社労士3年目仕事と年収まとめ

社労士事務所就職3年目の姿がイメージできただろうか。最後にその仕事内容と必要な能力、想定年収をまとめておく。

仕事内容:2号業務(就業規則、賃金規程、労使協定の作成)
必要能力:社労士試験合格レベルの知識、経営者に向かい合うための顧客対応力
想定年収:正社員450万

まだお読みでない方には、第1弾(1年目編)第3弾(5年目編)も併せてご通読をお勧めする。