【行政書士試験の難易度2021年最新版】 行政書士資格試験の難易度を他の資格試験と徹底比較 初学者はこれを読んでご安心を

【行政書士試験の難易度2021年最新版】 行政書士資格試験の難易度を他の資格試験と徹底比較

「行政書士試験の難易度はどの程度?」、「行政書士は自分にも目指せる国家資格?」このような不安をお持ちの方に向けて、他の4つの資格試験と合格率、必要正答率、合格者男女比などを徹底比較しました。と言うのも行政書士単体で難易度を検証することができないからです。結論的には、行政書士の難易度は社労士と宅建士のちょうど中間です。

☑このコラムは次の方を対象に書いています

・まさに今、行政書士試験を受験しようかどうか迷っている人
・行政書士試験の難易度を知りたい人
難易度を理解した上で行政書士にチャレンジしようと思っている人

☑このコラムの信頼性

コラムページにお越し頂きありがとうございます。行政書士の井ノ上剛(ごう)と申します。僕が行政書士試験に合格したのは、今(2021年)から20年以上前のことです。約1年間試験予備校に通って1回目の受験で合格しました。現在45歳で職員31名の合同法務事務所の代表をしています。誰よりも行政書士を愛し、理解しています。

このコラムでは行政書士試験の難易度をテーマに、次の内容をお伝えすることで、あなたの行政書士試験に対する不安を拭い去ります。

それでは始めましょう。

行政書士試験の難易度を他の資格との【合格率】で比較

それでは初めに行政書士試験の難易度を他の資格試験との合格率で比較してみます。

  行政書士 社労士 司法書士 宅建士 簿記2級
受験者数 41,681 34,845 11,494 168,989 45,173
合格者数 4,470 2,237 595 29,728 3,091
合格率 10.7% 6.4% 5.1% 17.6% 18.2%
年間試験数 1 1 1 1 3

(各試験、令和2年度実績。ただし宅建士は12月コロナ臨時試験を除く)

行政書士試験の合格率は10.7%

直近10年間に目を向けると、行政書士試験の合格率は常に10%以上をキープしています。特に令和元年、令和2年に着目すると受験者数、合格者数、合格率それぞれほぼ横ばい状態でした。

  受験者数 合格者数 合格率
 令和2年度 41,681 4,470 10.7%
令和元年度 39,821 4,571 11.5%

ということで令和3年度行政書士試験も受験者数4万人、合格者4500人、合格率11%程度と予想しています。

>>行政書士試験の合格率はこちらのコラムをご参照下さい

社労士試験の合格率は6.4%

よく行政書士試験と比較されるのが社労士試験です。というのも、社労士は1968年に行政書士資格から派生分離した国家資格だからです。

とは言え近年、労働問題への関心の高まりから、社労士の認知度は格段に向上し、常に人気の国家資格であると言えます。合格率も6%台行政書士の半分程度です。平成27年度には2.6%という超難関年度もありました。

司法書士試験の合格率は5.1%

ルーツをたどれば行政書士と同じ「代書人制度」である司法書士ですが、合格率は今回の比較の中では断トツの低さです。直近4年間でようやく4%以上の合格率となりましたが、それまでは常時3%台行政書士の3分の1程度でした。司法書士受験生が激減している昨今、合格率は若干の増加傾向にありますが、難関試験であることに変わりはありません。

宅建士試験の合格率は17.6%

宅建士は一般的に言われる「8士業」には分類されませんが、かつて「宅地建物取引主任者」と呼ばれた人気の国家資格です。住宅、不動産業界で働く人には必須の資格であるため、受験者の平均年齢は、行政書士、司法書士、社労士より低いという特徴があります。

簿記2級試験の合格率は18.2%

簿記検定はそもそも士業とは関係ありませんが、参考までに掲示しました。簿記2級は年3回開催されるため、今回ご紹介する資格の中で最も手軽に受験できる試験であると言えます。しかし試験回ごとに難易度に大きな差が生じるという特徴があり、直近10年間でも最高47.6%、最低8.6%という驚異的な差が生じています。

☑結論

近年の受験者数、合格者数、合格率の推移から検証したところ、行政書士試験の難易度は社労士と宅建士のちょうど中間に位置するものと思います。これは世間一般の認識と大きなズレはないでしょう。

合格に必要な【正答率】から行政書士試験の難易度を検証

続いて、合格のために必要となる、「試験での正答率」について、他の資格試験と比較してみます。

  行政書士 社労士 司法書士 宅建士 簿記2級
必要正答率 60% 63% 73% 76% 70%

表を見て驚く方がおられると思いますが、実は今回比較する5つの資格試験で「合格に必要な正答率」を比較したところ、行政書士試験が最も低いのです。

行政書士試験の合格に必要な正答率は、次の通り公表されています。

〇全体得点 300点中180点(つまり60%)
 ただし
 ・法令科目 244点中122点以上
 ・一般知識科目 56点中24点以上
一般社団法人行政書士試験研究センター

正答率60%で合格、という数値が何を意味するか?それはつまり、行政書士試験はある程度のラインを超えた人全員が合格できる資格である、ということなのです。

合格者の数に着目しても、行政書士試験は常に社労士試験の倍司法書士試験の3倍の合格者を生み出しています。このことからも行政書士試験が比較的、合格難易度の低い国家資格であることが理解できると思います。

☑結論

行政書士試験は基本問題を確実に正答することで合格できる国家資格です。

必要正答数は300点中180点、つまり60%です。

男女比から見る行政書士業界

続いて資格試験の男女比を見ていきます。

  行政書士 社労士 司法書士 宅建士 簿記2級
男女比 64:36 64:36 73:27 66:34 不明

表では各資格試験合格者の男女比を表しています。受験者数も概ね同じであり、各資格近年の変動も大差なしです。

一方、合格後に実際に資格登録をする人に占める女性比率を比較すると、4資格全てで女性登録者の比率が上昇していることが分かります。

  行政書士 社労士 司法書士 宅建士
R1 14.1% 30.7% 17.6% 25.8%
H30 13.7% 30.1% 17.2% 25.4%
H29 13.4% 29.5% 16.8% 25.0%
H28 13.0% 29.4% 16.5% 24.7%
H27 12.8% 28.7% 16.2% 24.4%
H26 12.4% 28.1% 15.9% 24.1%
H25 12.1% 27.5% 15.5% 23.9%
H24 11.8% 27.1% 15.3% 23.8%
h23 11.6% 26.5% 14.9% 23.7%
H22 11.3% 26.1% 14.4% 23.7%

行政書士業界では、合格者の女性比率が36%であるのに対して、登録者の女性比率は14.1%ですが、近年上昇傾向にあります。

行政書士試験の難易度から、主婦層や育児中の女性など「限られた時間で勉強しなければならない人」がチャレンジしやすい国家試験であることが分かると思います。

ちなみに社労士業界では、登録者に占める女性比率は、宅建業界をも上回っており、平成30年、ついに30%に到達しました。

全ての士業において、女性活躍の時代を迎えています。

☑結論

行政書士試験の受験者、合格者の女性比率は約36%。

登録者では女性比率14.1%。近年上昇傾向が続いています。

主婦層や育児中の女性など、限られた時間で勉強する方が積極的にチャレンジしています。

コラムのまとめ

今回のコラムでは行政書士試験の難易度について検証してきました。

行政書士試験の合格率は10.7%であり、社労士と宅建士のちょうど中間に位置する難易度です。

また合格のために必要な正答率は60%であることから、過去問に忠実に取り組み、基本をしっかり押さえた人が合格できる資格であることが理解頂けると思います。

また近年は主婦層、育児中の女性などが積極的に行政書士試験にチャレンジしており、行政書士業界も女性活躍の時代を迎えています。 このコラムを読んで「自分にもチャレンジできそう」と感じた方は、今すぐ行政書士試験の準備に取り掛かりましょう。